進化する道具、退化する技術

最近の大工さん達との会話から、「現場」の変化を感じています。
今では「レーザー」という垂直、水平、角度、距離、その他を自動計測させて墨出し作業に使う工具は必需品になっていますが、高いものですと80万円くらいします。正確な計量の為には機械のセッティングが重要ですが、それすら水平を自動調整してくれるのですから優れものです。
一方、先日工務店さんの作業場で見かけた築200年以上の家屋を解体した際の立派な柱。300角で、長さは10m近くはあろうかという貴重なものです。そこには手加工で刻まれた接合部が沢山あるのですが、そのどれもが正確でビックリするような技術なのです。
工具がなければ成り立たない現代にあって、機械工具も全くない時代に、どうやって加工したのか?と思うほどです。
今では現場でほとんどトンカチやカンナは使いません。
大工さん達が一番使う道具はなんでしょうか?
シンキングタイム・・・・
・・・・
【答え】
インパクトレンチ、電動ドリル
(正確な統計はとっていませんが、まず間違いありません)
釘を打たない代わりに、ビスやボルトというものが主流になりました。それを止めるために、インパクトレンチは大活躍です。
昔、釘を正確に打てることが腕のいい大工さんへの一歩でしたけど、今ではビスをピッタリ止めることが出来る、「人差し指の器用」な大工さんが上手な大工さんと言えます。(笑)
ちなみに、僕の父も電気工事業ですが、インパクトレンチ必需品です。(笑)
設計士も同じようなことが言えます。
今ではCADが主流ですから手書きの図面を書いている人は少なくなりました。若い人は一度も手書き図面を経験していないのでは?と思ったりもします。トレーシングペーパーという原図を青焼するのが図面でしたが、今ではプリンターでのプリントアウトなんでしょうね。
大切なトレペの原図に上司が「赤マジック」で修正を入れてしまう!なんてことがありましたが、時代は変わりました。
最近の大学の授業内容を知りませんが、僕らの頃はまず線を書くことから始めていました。今ではもういきなりCADなのでしょうか?
建築士の2次試験は製図ですけど、そのうち試験もCADになったりして???
便利になる分、どんどんバーチャルな部分のみ器用になって、現場を知らない、納まりを知らない図面が普通に書かれるようになったと思います。CADなので見た目がとても綺麗ですが、全然考えられてない、みたいな。
単純に昔と今を比較して議論してもナンセンスですが、大工さんも設計士も便利だからこそ進んで技術の習得に努めようとしないと、なかなか一流と言われる人になれない、そういう逸材が現れにくい環境になっているのではないかと思います。
僕も現場のわかる、設計の出来る建築資材販売業としてもっともっと現場や設計を勉強しないといけないと思います。日々勉強ですね。

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