2022年に発売をスタートしたエキゾチックレザーパターンをステンレスで表現したタイル「ミラノアヴァンギャルド」の採用事例が増えてきています。
店舗什器に採用して頂いた事例。
対面キッチン腰壁とダイニングスペースのアクセント事例。
洗面化粧台ユニットと組み合わせる事例。
玄関吹き抜けスペースへのデザイン。
建物用途や部位なども限定せず、様々なシーンでお使い頂いています。
ステンレスのタイルということだけでも珍しいのですが、このミラノアヴァンギャルドはレザーパターンを施したもので、他には無いかなり個性的なアイテムです。
一見すると、少しギラギラと奇抜過ぎたりと思われがちですが、丁寧に表現したエキゾチックレザーパターンは、遠目にみると本物の皮革のように見えるほどにリアルで、悪目立ちすることもありません。
どうしても、特徴的なだけに、ミラノアヴァンギャルドのデザイン性が先行してしまうのですが、この商品に込めた想いを改めてシェアします。
当初は、本物の皮革製品の建築仕上材があったら面白いだろうという観点から商品開発をスタートしていました。しかしながら、コストも高く、調達も容易でない、品質も安定していない、など停滞していました。
その途中で、エキゾチックレザーの実態を知ることになります。
エキゾチックレザー(ワニ、蛇、トカゲ、ダチョウなど)は、ファッション業界における高級皮革製品として使われてきた経緯があります。鞄、財布、靴など、みなさんもそうした製品を一つくらいお持ちかもしれません。しかしながら、近年、動物福祉の観点から、毛皮やエキゾチックレザーの使用は減ってきています。この商品を開発するまで知らない部分が沢山あったのですが、目を覆いたいくなるような実態がそこにはあります。人間のエゴによって、希少な生き物たちが犠牲になっている光景は本当に心が痛みます。ぜひ、ネットなどから実態調べてみてください。ベジタリアンやビーガンなど採食主義者でもありませんし、グリーンピースやシーシェパードのような少々過激な環境保護思想を持つわけでもありません。それでも、実情を知れば、エキゾチックレザーの使用には反対です。世界的な有名高級ブランドも今ではほぼ使用していません。ですが、未だに流通しています。その背景には絶滅危惧種の違法な密猟なども存在しています。
レザーパターンの魅力はそのままに、それを違った表現で商品化してはどうか?
という中で出会ったのがタイルでした。最初に出会ったサプライヤーの製品は、素材が陶器質のタイルだったので、とても欠け易く、すぐに割れてしまい採用には至りませんでした。マテリアルワールドでは、すでにステンレスのタイル製品を持っていたので、既存のステンレスタイルメーカーに相談し、全てオリジナル製作を進めることになったのです。
9つの異なる皮革のデザインを起こし、ステンレスの成型に使う金型を9種類も製造することから始めました。金型というのは、ご存じの方であれば、それにかかる費用が決して安くないことは想像して頂けると思います。
はじめのうちは、サプライヤーも理解が進まず、コロナ禍での遠隔のコミュニケーションはとても苦労しました。一度目の金型は失敗に終わり、もう一度一式作り直しをしたのです…。(涙)少しでもリアルに近づけたいということで妥協出来ませんでした。
こうして完成したミラノアヴァンギャルドは、ステンレス素材でありながら、完成度の高いタイルになったと自負しています。
本物の皮革を使うことなく、代替品でもこれだけの魅力を創れるということが、実証出来たと思っています。
いまだに無くならないエキゾチックレザー製品を扱うファッション業界に対して、少しでもアンチテーゼとしてのメッセージになったら、という想いもあるのです。「ミラノアヴァンギャルド」というネーミングも、こうした背景からきているのです。
いつかこのミラノアヴァンギャルドが、大手ファッションブランドのオフィスや店舗で採用されることを夢見て、発信し続けていきたいと思います。