住宅の断熱性の違い その2

年賀状という日本の伝統的な年始の挨拶状も、最近ではメールやSNSで済ます人が多いらしく、その数も年々減ってきているようですが、マテリアルワールドでは毎年増える一方です。

素敵なデザインや凝ったモノも多く、みなさんから届く年賀状がとても楽しみなのですが、800通以上出していると「あれ、この人には出したかな?」と不安になることも…。まだ全部検証できておらず、まだ挨拶が出来ていなかったらゴメンナサイ。
今年頂いた年賀状の中に、素敵な言葉がありましたのでご紹介します。
調べてみたら、あのオードリーヘップバーンさんの言葉らしいのですが、
(東芝やNIKE、アディダスのCMなどでも使われていました)そのフレーズが、
“Nothing is impossible, the word itself says ‘I’m possible’!”
何かのインタビューの応答で、
「不可能なんてないわ、だってその言葉自体が“私は出来る”て言ってるもの!」的なニュアンスで使われたのでしょうか?
impossibleというワードの綴りを分解すると、I’m possibleになるという “なるほど!”なメッセージ。
ネガティブな人がいたら、ぜひこのフレーズ使って励ましてみてください!
さて、
前回の続き。
住宅の断熱のお話。
5つの地域区分毎に定められている『熱損失係数』(建物からどれくらい熱が逃げやすいか)があるのですが、
1地域:1.8
2地域:2.7
3地域:3.3
4地域:4.2
5地域:4.6
(1戸建ての場合)
となっています。
この値は、小さいほど断熱性が高いことを意味します。
難しいことは分からずとも、違いが大きくありますよね。
これを具体的に断熱材(種類別にA〜Fまであります)の厚さで比較すると、よりイメージしやすいのですが、
仮に、在来木造の住宅でCというレベルの同じ断熱材(グラスウール24K)で比較してみると、
屋根または天井:北海道175�、関東50�
壁:北海道100�、関東35�
床(外気に接する):北海道150�、関東40�
(どちらも気密住宅)
となります。
部位別に異なりますが、総じて3倍以上も厚みが違うのです!
同じように、窓やドアなども基準に違いがあります。
普通ガラスなら3重であったり、アルミでなく木製や樹脂製が求められたり、ドアにも断熱性能が求められますが、地域4には基準がありません!ので、ドアに断熱材など入っていませんし、ガラスだって1枚でもいいことになっています。
また、建物の断熱性には気密性(隙間の大小)も深く関係しますが、別途この気密性についても、北海道などでは基準が定められています。
もちろん、東京などでは氷点下何十度まで気温下がることはありませんが、これだけ違いがあれば、北海道の住宅に比べて、東京の住宅は寒く、暖房をつけても、どんどん熱が逃げてしまって暖まりにくいということはイメージしてもらえると思います。
前回も触れましたが、石川県、富山県、福井県なども地域4(市町村単位で例外もあり)ですから、東京と同じでいいことになっています。
ちなみに、熊本や大分も地域4です。
これは建築に詳しくなくても、直感的に疑問を持ちますよね?
魔法瓶ではないですが、断熱性・気密性が高ければ、一旦暖まれば暖房を弱めてもその状態が維持されやすく、暖房に使うエネルギー(電気・ガス・石油など)をセーブできます。
当然建築時のコストはアップするのですが、もし、地域4でも、地域1、つまり北海道と同じ仕様で建設したら、どれほど室内環境は快適で、どれくらいエネルギーがセーブできるだろうか?もしかして、究極、暖房を使わないような住宅が出来ないだろうか?!などと想像を膨らませてしまいます。
これからのエネルギー政策を真剣に考えるなら、断熱性や気密性の基準をもっと厳しく高めて、それにかかる建設時のコスト負担を軽減出来るように、国が補助する形で推進していくのがいいと考えます。
考え方を改めて、必要な対策にしてしまうべき、少なくとも、僕はそう考えています。
これらの基準に関係なく、高気密高断熱住宅を推進している会社さんもあります。
でも、そうじゃない住宅と比べてコスト的にハンデがあり過ぎて、結局安い方がいいという判断をされるケースも多いはずです。
こういうことに敏感で、関心の高い方でないと断熱材の厚みを3倍にするなんてことはなかなか出来ないことです。
住宅を供給する側も、法律的にも、基準にも合致しているのですから、価格競争的な観点からしたら、「過剰なもの」「余計なもの」はそぎ落とす、という考えは当然です。
みんな言わないけど、分かってるはずです。建築士も大工さんも工務店さんも不動産屋さんも。
もう一般的に建てられている水準では足りていないことを…。
余談ですが、
(お世話になった大家さんに怒られてしまいそうですが…、)
僕が大学生の時に一人暮らしをしていた八王子の木造アパートは、当時新築だったのですが、冬になると、部屋の中でも息が白く、便器の中の水に薄く氷がはっていたほどです。(笑)
でも、別に違法建築とかじゃなく、ちゃんとしたおしゃれなヤツですよ。
もう、21世紀(ちょっと古い言い方ですが…)になって13年。
昔、「21世紀」って、何かすごくキラキラした未来を想像しませんでしたか?
電気自動車や携帯電話、インターネットなどはもの凄く進化しましたけど、建築はどうでしょう?
そろそろ劇的に変えていってもいいんじゃないでしょうか?
東京なのに、便器の水が凍っちゃう?!、そんな住宅は無くしていきたいですよね。(笑)

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