一級建築士という責任

マテリアルワールドは建築資材を販売する会社ですが、建築資材を扱う会社にしては珍しく?チーフバイヤーである僕自身が「一級建築士」であるという点があります。
他に、僕は一級建築施工管理技士、一級管工事施工管理技士、消防設備士甲種一類という資格も保有していますが、気がついたら建築資材の世界に魅了され、今では資材の販売が本業となっています。
ですので、“目利き”の部分では他の一般的な建築資材メーカーや商社、卸売などとは一線を画したオンリーワンな存在だと自負しています。
それはさておき、
先週、そして今日と、管理建築士(建築士事務所の管理者となる建築士)講習、一級建築士の定期講習というものに続けて参加してきました。
世間を震撼させた平成17年の耐震偽装問題の発覚以降、建築基準法や建築士法、その他関連する法案が立て続けに改正されて、ガラッと様子が変わってきました。
今回の定期講習の受講の義務化などもその一環です。
恥ずかしながら、「えっ、そんなことになっていたの!」という法律改正もありました。
一言でいうと、大変厳しくなりました。
何が?
建築基準法をはじめとするルールや手続きの複雑・高度化はもちろんですが、目まぐるしく変わる制度や技術革新情報など学ぶべきもの多さ、あるいは建築士としての社会的責任の重さや建築士として問われる倫理観など、その他もろもろ含めて、全てです。
こうした建築士を取り巻く環境が社会から厳しいレベルを要求される一方で、建築士の報酬基準は、国からその指針が出てはいるものの、現実は極めて厳しく、どんどん状況は悪化していると言っていいと思います。
やるべき業務量は膨大に増えて、その一方で報酬は上がらないどころか、削減をされているところも少なくありません。
業界のキャパ的にも、
建設投資(土木+建築)の状況で、平成8年度は82.8兆円あったものが、平成20年度の見通しでは、49.3兆円と、大幅な減少傾向にあります。(国土交通省)
これは、リーマンショックと言われるようなつい最近の出来事でなく、バブル崩壊以降、ずっと減少傾向が続いていたことをあわらしています。
世の中、楽な仕事はありませんが、それでも建築士は相当大変です。
以前にもここで触れましたが、建築関連の仕事に就きながら、自宅を持てない人の方が圧倒的に多いのです。
あまり知りたくないですが、建築業界にいる人たちの持ち家率って全業種の中でどれくらいなんだろう?って不安になるくらいです。
『足の裏についたご飯粒』
とは、一級建築士を揶揄して言われる言葉ですが、
その意味は「とっても食べられない、でもとらないと気持ち悪い」というものです。(座布団1枚!とか言ってる場合じゃありません:笑)
なんだか夢のない話になってしまいましたが、
でも、じゃ、何故、それでも建築を選ぶのか?
デザインが好き、ものづくりが好き、街づくりが好き、建築が好き、地図に残る仕事がしたい、・・・
そういう、なんでもいいのですが何にも負けないピュアな動機こそが全ての原動力であり、それを何時までも持ちづづける力がないと続かないのではないでしょうか?
僕のモチベーションも根っこになる部分はそういうシンプルなものです。
好きなことを通じて、得意なことを通じて、人に喜んでもらい、社会に貢献する。これほど理想の状態(仕事)はないからです。
みなさんの仕事に対するモチベーションはなんでしょうか?
お金ですか?
お金がなければ生活できませんし、僕も綺麗事を言うつもりはありませんが、少なくとも、建築業界で主たるモチベーションが「お金を稼ぐ」ということだとすると、ちょっと厳しいかもです…。
ますます責任重大となる建築士。
僕も一級建築士の一人として、今回の講習は色んなことを見つめ直すいいきっかけになりました。
まだ講習を受けられていない建築士のみなさん、これからだんだんと混み合ってきて、希望する期限までに受けられないことになるかも?とのことです。お早めに。
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Smile & Thanks 2009
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わたしたちマテリアルワールドは、
20年後も色褪せない世界中のユニークでオンリーワンな
一流建築資材を提供する会社です。
2015年までに20カ国、100アイテムの取扱いを
目指しています。
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