「ケナフ」に思う身近な問題

「ケナフ」って聞いたことありますか?
1年草ということで、もの凄く成長が早く、春に捲いた種が秋には3〜5mほどに成長し、幹も3cmほどまで大きくなるというもの。(中にはもっと太くなるものもあるようです)草というよりも、微妙に木の仲間のような、そんな大きさです。
茎から繊維質がとれて、布やロープに使われることが多かったようですが、今パルプに代わる紙製品として、パーチクルボードに代わる建築資材として、様々なところで注目されているものです。
一部、日本国内でも栽培されはじめ、地域によっては学校でも体験学習的に使われているようです。(知りませんでした…)
マテリアルワールドでも、TOKYOジャケットのパッケージの一部にケナフの紙を使うことになりました。その質感が最もやりたいテイストに合致しているということが先ですが、ケナフと聞いて、パルプ紙よりもいいな〜なんて軽い気持ちがあったのですが、今一度それが持つ様々な背景を知るにつけ、改めていろんなことに感心を持った次第です。
実は、このケナフ、そのあまりにも早い成長力や他の植物に与える悪影響との関係もあって必ずしも手放しで喜べるものではないという意見もあり、ネット上では様々な見解が飛び交っています。推進派、反対派、それぞれに加熱しています。このケナフ騒動!?を知り、そういえば原材料であるとか、生産地の実態まであまり深く考えを巡らせることってあまりないなと反省した次第です。
例えば、
フェアトレードの問題。コーヒー豆、サッカーボール、果物など我々大国の消費者の知らないところで起きている実態。
僕は中学・高校と部活はサッカー。今でもフットサルやビーチサッカーを楽しみます。また、コーヒーもほぼ毎日飲んでいます。でも、今自分が履いているシューズや飲んでいるコーヒーの豆がどこでどう生産・取引されているかまでは毎回考えている訳ではありません。
考えちゃうと、正直手が出せないというか…。
遺伝子組換え食品の問題もそう。今ではもうそれを口に入れずに過ごす方が難しいと思われるくらい広がっています。米国では家畜にも禁止されている遺伝子組み換えのトウモロコシの粉がその米国から何百万トンと日本に輸入され、行き先不明だとかいう話もNHKのニュースに出ていました。
僕も子供を持つ父親として、子供のうちからそうした望ましくないものを口にして、どんどん体に蓄積されて将来大丈夫なのか?という不安大です。
でも、自分で農業でもしない限り、究極に安心して食べるなんてことないだろうし…。
そして、森林伐採や盗木の問題。例えば、中国南部、ミャンマーなどで盗木(とうぼく;不法に伐採したもの)が行われているということで、グリーンピースが監視している実態もあります。世界各地でこうしたことが問題となり建築資材などもその調達ルートをしっかりと開示する「グリーン法」が制定されたりしています。
上記の3つの事例はごく一部ですが、僕が思う共通した背景が一つ。それはズバリ『低価格』です。
今、信じられないような価格破壊が起きているものもあります。でも、それって気をつけないと、どこでどうやって製造されているかものはよく分からなかったりします。産地ではひどい労働条件を強いていたり、あるいはニセモノだったり、はたまた盗んだものだったり…。買う側、使う側の圧力というか競争力が生んでしまった歪んだ構図なのかもしれません。
それぞれの業界や分野によって、今身の回りで起こっていることは様々ですが、最終の便利な部分だけを手にする私たちユーザーも、もうちょっと気にかける機会を増やすとか、少しでも考えてみる習慣を身に付けると、何かが変わってくるかもしれません。一人では何も出来ないかも知れませんが、みんなの心がけで。
マテリアルワールドも、建築資材を扱う立場にいる以上、それぞれのアイテムがどうなっているのか、これからも深く掘り下げていこうと思います。もっとそういう情報も開示した方がいいですね。ここ数か月、海外には行っていませんが、このブログでも現地情報をアップしていければと思います。

ケナフの表紙を使います。
【追伸】
かなり遅れていますがもうじきこのサイトでもTOKYOジャケット販売開始します。プロダクトページから購入してもらえるようになります。ちなみに、TOKYOジャケット国産で、ルートもしっかりしています。(笑)
日本が誇る町工場の精度の高い加工技術がここに集約されています。ぜひ、皆さんにも手にとって欲しいです。よろしくお願いします!

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