創意工夫はプライスレス

建築分野の中でも「店舗の内装」というのは住宅の新築、あるいはリフォームとは全くもって違った独自の世界です。
このところ何件かお手伝いをしているのですが、住宅にはない難しさ、楽しさに少々ハマりそうな感じです。
とにかく店舗工事というのは制約事項が多く、それでいて短工期なのでどこでも引き渡し前は深夜まで作業が及ぶことがこの分野では当然のことのようになっています。
実は僕の父は電気工事業、兄は内装業、妻の妹の夫も内装業なのですが、これらの業種は工事に際してあまり音を出さない、かつ後行程になるので大概引き渡し前はみんな深夜まで作業にあたることも珍しくありません。
そんな厳しい店舗物件ですが、設計的には魅力的な部分もあります。
既製品を使うことの多い住宅分野とは違い、そのほとんどが自由な発想とデザインにより構成できるチャンスが多いからです。
逆を言えば設計者の技量が試されるというか、引き出しを沢山持っている必要があると思います。
よく、本当に料理が上手な人というのは、冷蔵庫にある残り物でササっと美味しい料理を作れてしまう人、なんて言い方をすると思いますが、なんとなく店舗設計に優れた人というのも料理人のそれに似たところを感じます。
臨機応変なその場の対応力、少々奇抜で斬新なアイデア力、匠に材料を使いきる計算力、ありものの中でやりくりできる応用力などなど、共通点が沢山あるように思います。
住宅設計も魅力的ですが、こうした発想力や瞬発力が試される店舗設計というのも掘り下げてみたい気がしています。
さて、今日はひなまつりでした。
みなさんのお宅ではどんな風に過ごされたのでしょう?
我が家では妻のかわいいアイデア料理で娘たちは楽しみました。
決して豪華ではないですが、とても創意工夫に満ちたもの。
大切なのはお金をかけるのではなく、愛情をかけること。
建築にも同じことが言えそうです…。

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