ゼロエネルギー建築

先週末、早稲田大学にて行われた米国エネルギー省技術開発部門マネージャーP Mark LAFRANCE(マーク・ラフランス)氏の特別講演を聞いてきました。
興味深いテーマだったので、急なお誘いだったのですが、参加出来て良かったです。
今日はちょっぴりアカデミックな話題ですが、ご紹介します。
米国エネルギー省では、2020年までにnet-zero energy homes,2025年までにnet-zero energy buildingsを目標に掲げています。
エネルギーを実質使わない建築です。
この背景として、現状の電力消費の割合について、アメリカを例にとると、
建築(住宅・非住宅を含む) 72%
産業 25%
交通 1%
その他 3%
と、圧倒的に建築分野での消費が目立っていることが分かります。
日本でも、55%程度が建築、産業は42%程度です。
逆に、中国などは、産業がまだまだ69%くらいと、逆転しています。
建築分野における電力消費の削減なくして、地球温暖化を阻止することはできないと言っても過言ではないのです。
話がそれますが、昨今ハイブリットカーや、電気自動車の開発がどんどん進められていますが、建築側の電力消費削減を進めなくては、逆に総電気使用量は増えてしまうかもしれないのです。
これって意外に落とし穴ですよね。
その建築の電力消費の中でもウエイトが大きいのは、やはり暖房、そして冷房負荷。次に照明負荷、さらに換気と続きます。
これらの電力負荷4項目は建築の外装仕様(断熱気密性)に深く関わる項目であり、これらだけで約57%となります。
つまり、建築を0エネルギー化していくには、建物の外装の断熱性能の向上が不可欠ということを意味しています。
以前、このブログで窓について取り上げたことがありました。
北海道より寒い東京の住宅
そこで僕がふれた話題で、地域に関係なくシングルガラスはやめて、LOW-Eアルゴンガス入りのペアガラスにするべきという意見を書きましたが、マークラフランス氏も全く同じことを指摘しており、100%そうすべきであるとハッキリ述べていました。
日本ではガラスとサッシュを分けて考えていますが、ISO15099にあるよう一体で評価する方向に転換していくべきでもあります。
エアコンの省エネ化は日本は進んでいる方ですし、それにも限界があります。それよりも建築の外装の遮熱性、断熱性、保温性などを高めていくことにもっともっと注力する必要があるはずです。
いやー、
米国エネルギー省の方と同じことを指摘しているという点では、自分の感覚が間違っていないという点で、とてもうれしかったです。
でも、これ浸透させるのは簡単ではありません。
どうしても商売ありきで、コストが先に来てしまいますから、分かっていても使わないというところも多いはずです。
エコカー減税も一巡した?!のですから、今度は建築業界にも、『LOW-Eアルゴンガス入りペアガラス減税』みたいな方策を打ち出してもらいたいものです。(笑)
でも、これ、意外にマジな話です!
誰か国のエライ方がこのブログ読んでいたら、考えて欲しいものです…。
現状、「ソーラーシステム」ばかりがもてはやされていますが、その前に、もっともっと建築の側で出来るパッシブなことにシフトさせるべきです。
なんと言っても、CO2 25%削減なんですから!
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Smile & Thanks 2009
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