デザインの地域性は屋根に出る?

昨日は名古屋に行ってきました。

のぞみから撮ってみました。
名古屋駅のホームからも見える「ねじれビル」は凄いですね。新宿西口の「ラグビーボールビル」といい勝負です。(笑)
写真がないのですが、どちらももうすぐ竣工ですので、きっと話題になるはずです。面白い!かもですが、個人的にはやっぱり・・・。
注)名称は僕の勝手な呼び方です。
近いようで、用事がないとなかなか出向くことのない名古屋ですが、(中京地区の方、スミマセン!)やっぱり何か街の空気感みたいなものは東京のそれと違いますね。
何故なんだろう?といろいろと思うのですが、一つには道の広さ、マンションやビルの建築密度(ひしめき合い度合)が違うように感じます。空が見える面積も広く感じます。(大袈裟でなく)
名古屋、大阪、福岡、札幌、その他地方都市の主要駅付近の道幅の広さは東京にはないものです。
そんな違いを考えながら、建築デザインの地域性ってなんだろう?と改めて思うと、一番地域性を感じる部分は「屋根」のような気がします。
たとえば、その素材。瓦屋根が日本ではずっと主流でしたが、東京ではもう随分見なくなった気がします。スレート、鋼板、アスファルトシングル、洋瓦などが圧倒的に多いと思います。
和風を売りとしている住宅メーカー以外、見かける機会はぐっと減りました。(正確な統計はとっていませんが。)
新幹線から見ていると、まだまだ瓦が圧倒的に多いところもあります。
素材で言うと、茅葺屋根、シダーシェイクなど、昔ながらの屋根も一部では健在です。法律の規制があって、どこでも使える素材ではありませんが、経年変化が魅力的ですよね。
庇の張り出し方、軒の深さなんかも地域性が出ていると思います。
東京は隣地との境界ギリギリに建てることも多いこともあってか、あまり軒は深くありません。出したくても出せないというところが本音かもしれませんが。また軒の無い、出さない屋根も今ではメジャーです。
TIME&GARDENで設計した物件が現在施工中ですが、軒を出していません。

(物件の写真・情報は追ってTIME&GARDENのHPにてご紹介したいと思いますので、ご興味のある方はぜひそちらをチェックして下さい!)
話を戻して…
日射の厳しい沖縄などは軒、庇はとても深くとりますし、積雪荷重がないので勾配も緩やかです。
一方、
積雪地では積雪荷重の関係からカネ勾配にしたり、北海道だと逆に雪が落ちないように陸屋根にしたり、その場所性に求められる機能がデザインに大きく影響しています。
屋根の組み方も片流れ屋根や切妻がなんとなく多く感じる東京ですが、他では瓦屋根と相まって寄棟、入母屋はまだまだ一般的ですよね。
アジア諸国では、同じ寄棟や切妻でも、「そり」「むくり」を強調したものが結構多く、寺院建築の影響が色濃く出ていて独特です。
その他、ヨーロッパではマンサードも珍しくありません。
ということでこのネタもどんどん掘り下げるとエンドレスになりそうですので、この辺にしますが、つまりはその地域の気候特性が色濃く反映されやすいのが屋根であり、それがデザインの類似性につながっているんだと思います。
「当り前だろう!」という声が聞こえてきそうですが、そうおっしゃらずにぜひ屋根にも注目してみてください。
僕も昨日から上ばかり見ていますが、結構面白いですよ。(笑)
余談ですが、
この時期、屋根の雪おろしをされる方もあると思います。くれぐれもお気をつけて!

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