手作りのバラツキ感とバッチリ感

上海にきています。
開発もだいぶスローになったとはいえ、数か月来ないと、目新しいビルなどもあったり、相変わらず上海の街には圧倒されてしまいます。
マテリアルワールドではシエナスタイルの製品をここ上海を中心に製造委託しています。まだ11月ですが、すでに来年旧正月前までの生産がかなりタイトで、現在進行中の複数案件の進捗確認や今後のスケジュール調整などに追われています。
大変ありがたいと同時に、納期の面でお客様にご理解を頂きながらなんとかやりくりしているのが実情で、あまり余裕がなかったりします…。
シエナスタイルは、全て手づくり。
っといっても、当然工具は使います。(笑)
何を機械生産、何を手作りと定義するかは厳密ではありませんが、僕の中では、NC加工機のような大型の自動製造ラインを持つような大量生産型のものを機械生産、工員・職人がハンド工具を駆使して組み上げていくようなものを手作りと考えています。
ですから、材料をカットすることから始まり、曲げたり、叩いたり、溶接したり、削ったり、etc.、様々な工程を経て製品になるので、当然時間もかかります。組み上げてしまえば、見えなくなるようなところまで、細部にわたり気を利かせています。
たとえば、?字型に接合される個所には、接合強度を出すために、ピンを打ち込んでありますが、溶接して仕上げた後にはまったく見えません。

また、開先加工といい、溶接をする箇所にはどんなに小さくても、溝をつくって溶接がきちんと定着し、平滑に仕上げた後にもちゃんと溶接が残るようにしています。

これらのことは、建築の構造分野、鉄骨などを扱うレベルおいては基本のことであり、出来ていないと逆に問題となることではりますが、こと、ロートアイアンと称される門扉やフェンスの製造分野において、これらのことをきちんと理解し、実践し、品質管理されているところがどれだけあるのか、国内の製造メーカーであっても、実はなかなか出来ていないことだったりします。
また、手作りとはいえ、職人の技量によりバッチリと寸法精度が出せるということも重要です。

部材をネジる加工ですが、かなり精度高く加工できています。
写真の部材はアルミですが、アルミは熱しても赤くならないので、その加工タイミングは経験値でしか会得できません。
当たり前のようでいて、実は熟練の技が必要であったり、仕上げてしまえば見えなくなる部分に対しても、ここまで詳細に配慮された設計・製造管理ができるのは、そこに“日本人”である優秀な監督がいるからこそです。
個人差もあるものの、日本人のDNAは、数値化できない繊細なニュアンスやバラツキも理解でき、同時に表面的には見えない部分までも、手を抜かないという部分を併せ持っていると思います。
悪く言うなら、世界一「ピッキー」なのが日本人です。(苦笑)
安心して任せられる日本人監督が現地に居るということほど、海外から輸入をする仕事をしている僕としてはうれしいことはありません。
今後も、そうしたアドバンテージを活かし、シエナスタイルを自信をもってご紹介していきたいと思います。

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