モノクロームな美しさ・・・

今日は前回の「色」の話と対照的に、モノクロームの魅力に触れたいと思います。

色のない世界なのに、なんか不思議な力がありますよね。カラフルな色彩も好きだけれど、誰しも、このモノクロームの魅力には惹かれることがあると思います。
写真の世界などではモノクロームは「絵でいうところのデッサン」と言われるように、基礎を身につける意味でも重要であると説く人もいます。色彩が無い分、「ごまかし」が利かず、構図や白と黒のバランスがそのまま目に飛び込んでくるからです。これは私が時々やっている、「ある特定の一色に注目する」と見えてくる何かが、自動的に行われているというか、モノクロ故に対象がストレートに伝わってくるのかな?と思う訳です。


カラフルな造形物があったとして、そこから色をなくした時、それでも美しいと感じられるか、何かパワーを秘めているか、逆に見えなかった良さが発見できるか、そんな判断基準としても、「モノクロームとして捉えてみる」というのは面白そうですよね。リトマス試験紙というか、内面から美しいかどうか、みたいな。
これって対象を自分達にしても言えませんか?
化粧を落としても、素顔が素敵かどうか・・・?ちょっと例えが違うかな?(笑)
女性の皆さん、ごめんなさい。
気を取り戻して、
表面に見えてくる建築資材を扱う僕が言うのも変ですが、建築の世界では、やはり「造形」が主役、「色」は脇役であって、特に“質感”を問うような場合、それが「本物」であるかどうかを見極めるという点で、モノクロの世界で感じるというのは大切だなと思っています。
僕が最も尊敬する建築家の安藤忠雄さんは、一貫してコンクリートというものにこだわり続けていますが、一連の作品はどれも本当に色彩は少なく、ズバリ空間・造形で勝負しているという気がします。現代にあるのに、いつもモノクロームの世界を見せてくれるような、そんな気がしています。逆に言えば、あれだけ洗練された空間になると、もはや色は不要ということなのかも知れません。
マテリアルワールドのアイテムの中で、モノクロームがよく似合う、「本物」としての魅力を感じるのはやはり「シエナスタイル」です。

ロートアイアンにも青銅色やゴールドなどもありますが、その多くは基本は黒一色という中で、まさに「色のごまかし」が利きません。鉄の持つ質感、その造形美、表面のハンマートーン(トンカチで叩いた跡)の微妙なテクスチャーの3つで成立していて、それ以上でもそれ以下でもありません。このシンプルな構成なのに、圧倒的に引き込まれてしまうのは、そこにある造形美だと思うのです。
モノクロームなのに「色褪せない美しさ」という表現は正しくないかもしれませんが、マテリアルワールドのシエナスタイルにはそんなことを感じさせてくれる魅力が詰まっています。そんな素敵なアイテムを、皆さんにお届けするのが僕の使命ですね。

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