「フローリング」という万能用語

みなさんの家の床、何ですか?
畳、
カーペット、
タイル、
石、
???
いや、きっと今ではほとんどの家で「フローリング」ですよね。
すっかり定着しました、フローリング。
話題の江戸はるみさん風に言うと、「フローリング〜!!」。(笑)
失礼しました。
でもこの「フローリング」って言葉、結構曖昧だったりします。
みなさん、フローリングの正しい意味、定義って知ってます?
僕は知りません。(笑)
意味したいところを言えば、「板張り」とでも言うのかな?
でも、英語ではflooring=板張りではないのです。床仕上げ材全般を指します。ですので、日本で使われるフローリングは完全にカタカナ英語というか、もはや日本語です。
フローリング=板張りという前提条件が成立しているとして、さらに、面白い?のが、この板張り素材の基準がないんですよね。
資材のプロの観点からすると、同じフローリングでもそれこそ千差万別、ピンキリの世界です。
何が?
木材の使われ方です。
いわゆるみなさんがイメージする正真正銘のフローリング?!といえば無垢材。1枚の板から出来たものです。
食品で言えば、ストレート果汁100%、服飾で言えばシルク100%みたいなグレードです。
次に集成材。
接着剤で張り合わせたもの。
フローリングは湿度の影響による狂い、つまり収縮が起こりやすいのですが集成材はこの狂いを起こしにくいものです。
しかしながら、この集成材タイプは「ウォールナット」のフローリングであれば、すべてウォールナットを用いた接着となっています。
食品で言うなら、濃縮還元100%みたいなグレードでしょうか?
積層材パート1。
接着ですが、重ね方向に複数の素材を接着しています。
例えば、「メープル」のフローリングと言っても、それは表面だけ。芯材は合板がほとんど。
ここで問題になるのがその表面に使われている木材の「厚み」。
「突板(ツキイタ)」と呼ばれる薄くスライスされた木材が接着されるのですが、普通は2〜3?ほどです。
突板はもともと高価な樹種の木目を美しく使うという部分で発達しましたが、今では樹種に関係なく使われる技術です。
これも普通にフローリングと呼ばれており、おそらくみなさんの家のほとんどがこれです。
我が家もこれです。
ちなみに、マンションなどで使われているものの中には、裏側にクッション材が張ってあって、階下への音などを軽減しているものもあります。
歩くと少しフワフワ感があります。
積層材パート2。
この分類は僕独自のものですが、あえてパート2としたのは、突板の厚みの違いです。どれくらい違うかというと、なんと0.2〜0.3?しかありません。
向こう側が透けるくらい薄くスライスしたものに裏紙を当てて処理しています。「紙」ほどの厚みしかありません。
これも普通にフローリングと呼ばれています。
プリント材。
「木目調」に印刷された合成シートが表面に使われているだけです。
芯材には「段ボール」が使われていることもあります。
ローコストの追及がどんどん進むと、こうした材料が開発されてきます。
塩ビシート。
プリント材同様、「木目調」の印刷処理がされた塩ビシート。
さすがにこれをフローリングと言って使う建築業者は少ないのですが、不動産業者の方はご存じない?のか、賃貸住宅なんかで不動産情報誌にフローリングと書かれていて部屋を見に行くと、塩ビシートだったりします。
カナダへ行く前に住んでいた僕の家もこれでした。
これらのどれも「フローリング」と解釈されてます。
食品などは表示義務が非常に厳しいのですが、建築資材業界ではその辺はまだまだ曖昧です。
床暖房などを設置した場合は熱の影響を受けてしまうので無垢材は使えませんので、集成材、あるいは積層材が活躍するわけで、必ずしもそうした「エンジニアリングウッド」が悪いということではありません。
ローコスト住宅の出現で、マイホームを手に入れられる層が増えたという恩恵もあり、プリントフローリングもコストダウンに寄与していると思えば、それも否定するものではありません。
ですから、一言に「フローリング」と言ってもこうした違いがあるということを、知識として選択する側が知っておく必要がありそうですよね。
栄養ドリンクの「タウリン1000?g」って、「1g」だよってことと同じくらいに。(笑)

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