南国の陽射しが創り出すエイジングの秘密

マテリアルワールドを代表するアイテムの一つ、「ボルドーグレージュ」。

“ワインを熟成させるように、パネル材をエイジング” というキャッチフレーズにあるように、南国の強い陽射しによって木材が退色させ、あえて白銀化させたものを生産しています。

期間にして約3ヶ月、100日以上の時間をかけて、天日干しを行っています。

エイジングといっても、どこかで使用されていた古材とは異なります。未使用の綺麗なエイジング材なんです。

天日干しの風景。

この天日干しの工程は、とても地味で、アナログなものです。

風が吹けば飛んでしまったり、雨にも打たれて、野生動物にいたずらされたり、3ヶ月もの間ひたすら続けます。

ひどい時には、このようにせっかくの貴重な材料がダメになってしまうこともあるのです。

農家の皆さんが一生懸命に育てたお米や、野菜、果物などが台風などでダメになってしまう時の気持ちが痛い程にわかります…。

それでも、苦労を乗り越えて完成したボルドーグレージュの素晴らしさ、艶のある美しさがあり、製造工場のメンバーもそこに共感し協力してくれています。

 

しかしながら、これはどんな木材・樹種でも出来る訳ではありません。

すでにパネルに成型してから天日干ししていますから、厚みは8㎜しかありません。

普通の木材なら、反ったり、割れたり、捻じれたり、ほとんど使い物にならなくなってしまいます。

ボルドーグレージュが出来るのは、節の少ない南洋材を、特別な木材乾燥装置で、200度を超える高温でキルンドライ処理をしているからこそ寸法安定性が極めて高く、過酷な状況下でも狂いの少ない材として製品化出来るのです。

高温キルンドライ処理された材は、このように褐色ですが、これを天日干しすることで紫外線で色素が抜けて白銀化していきます。

そして、これは国内での天日干し試験の写真です。

この商品の試作を始めた当初は日本国内で天日干しの実験をしていましたが、半年干しても想像したような白銀化は得られず、上手く行きませんでした。

ボルドーグレージュの美しいグレー色は、南国の強い陽射しがあってこそ実現するエイジングなのです。

これらの様々な条件が全て揃って、かつ、自然災害などのリスクを背負って手間暇かけてようやく完成するもはや貴重な「プロダクト」なのです。自然素材、薬品や塗料なども一切使わない無垢材そのままではありますが、誰でも簡単につくれるものではなく、世界でも私たちマテリアルワールドだからこそ実現した特別なパネル材なんです。構想から実際に製品化になるまでは、3年近くの歳月がかかりました。

ぜひ、世界に誇れる美しいボルドーグレージュを、一人でも多くの方にお使い頂きたいです。

大量生産出来るアイテムではありませんが、日本の皆さまに届けるべく、頑張って生産して頂いています。