英文インタビュー記事が掲載されました

ブルックリンランドリールは、イタリアのAデザインアワードで金賞を受賞しています。
(ちなみに、グッドデザイン賞、キッズデザイン賞など、他にも多数受賞しています)

今回、そのイタリアから、ブルックリンランドリールのプロダクト開発における英文インタビュー記事がアップされましたので、ご紹介します。

これは、大変名誉なことで、すべての受賞作品やデザイナーが対象ではありません。

インタビュー記事はこちらから

すべて、英語でのやりとり(英文回答方式)なので、めちゃくちゃ大変でした…。(汗)

上記リンクは、すべて英文記事になるので、ここに和訳したものを添付しておきます。


Q. 都市生活の課題に美しく応える「Brooklyn Laundreel Laundry belt indoor」という屋内ランドリーソリューションは、どのようなプロセスを経て課題を見つけ、解決に至ったのでしょうか。
A. 日本の住宅は総じて小さく、バルコニーやベランダのスペースも限られています。さらに都市部では、大気汚染や黄砂、花粉症、プライバシーの問題、そして共働きの増加など生活様式の変化により、日中に屋外で洗濯物を干すことが難しくなっています。その結果、室内干しが一般的になりましたが、スマートな解決策は存在せず、日常の大きなペインポイントになっていました。日本にも衣類乾燥機はありますが、電気代の高さや衣類の縮み・傷みへの懸念から、頻繁には使われません。そこで、この製品の開発に挑戦しました。


Q. 文庫本より小さいコンパクトな筐体で4mのベルト長を確保するという驚異的な省スペース設計を、なぜ最優先にしたのですか。
A. ベルト長の設定では、標準的な8畳の日本の部屋の長辺(3.6m=二間)で使えることを最優先しました。そのうえで、未使用時に室内の景観を邪魔しないことが重要でした。前述のとおり、日本の住宅には専用のランドリールームがないことが多く、リビングや寝室で干すのが一般的だからです。


Q. 一級建築士としての経験は、特に日本の住空間の制約やユーザーニーズの理解という点で、この製品の開発にどう影響しましたか。
A. 建築家・デザイナーとして、意匠性の高い空間づくりと、構造・設備要素の統合は常に葛藤の種です。照明、スイッチ、コンセント、空調機、感知器、点検口といった設備は空間のデザインを阻害しがちで、理想的には設計者・居住者ともに可視要素を最小限にしたいと考えます。小さな空間で心地よく暮らしたいのに、目立つ機器は置きたくない——この矛盾を深く理解しているからこそ、機能とデザインの両立を目指しました。


Q. HACCP認証の食品グレード・コンベヤーベルトという独自素材の採用が興味深いです。どのような発想からこの素材に行き着き、機能面でどう寄与していますか。
A. ベルトに干す際、必ずしもハンガーを使うわけではなく、タオルなどを直接掛けることもあります。すると、ベルト表面は汚れたり、湿気でカビが生えたりしやすくなります。洗いたての衣類をカビたベルトに掛けたい人はいないので、抗菌・防カビ性のある素材を探しました。その過程で、食品工場で使われるコンベヤーベルトがまさにその特性を備えていることを見つけました。抗菌・防カビ性に加え、強度と耐久性にも優れており、信頼性の高い選択でした。HACCP認証は、安全性と信頼性をさらに裏付けるものです。


Q. ねじを磁石で隠す解決策は非常にクリーンな外観を生みます。構造強度を保ちながら継ぎ目のないデザインを実現するうえでの技術的な課題について教えてください。
A. デザインの着想源はAppleのiPhoneです。突起や見えるねじがないスリークな外観に惹かれ、その思想を製品に反映しようとしました。ただ、外装を固定するにはねじが必要で、そこでカバーが要ります。一般的なカバーではなく磁石を用いることで、カバーとしての役割に加え、不使用時に本体をすっきり収めておける機能も持たせました。上から見たプロファイルも、iPhone側面の電源ボタンの形状に近いものになっています。


Q. 最小限のプロファイルながら、濡れた洗濯物15kgを支えられるのは見事です。強度とミニマルな美しさをどう両立しましたか。
A. 内部には堅牢なアルミダイカスト製ドラムを採用しています。外装は樹脂ですが、コアとなる部分は高強度部品で構成しています。ベルト自体も非常に耐久性があります。公称の耐荷重は15kgですが、荷重試験・引張強度試験では45kgに耐えることを確認しています。布団など重いものを干す場面も想定し、重量を気にせず使える安心感を重視しました。日々の伸縮に関わる巻き取り機構は要であり、数万回に及ぶ耐久試験を実施。長寿命のため、自動車のシートベルトと同様のスプリング機構を採用しています。


Q. 日本の住空間に関するリサーチは、8畳間最適化など最終仕様にどう反映されましたか。
A. 8畳は3.6m×3.6mです。前述のとおり最大ベルト長を4.0mに設定し、部屋のスパンを横断できるようにしました。間取りや開口位置、家具配置は多様なので、適応性も重視しました。本体を180度回転でき、どの向きにも取り付けられます。また、ベルトフックを2個付属し、2方向の干し方に対応。部屋全幅に伸ばすことも、小量時には部分的に使うこともできます。日本の住まいはコンパクトで、人が在室したまま干すことが多いため、空間効率は重要です。


Q. A’ Design AwardでGold受賞。国際的評価は今後の製品開発やデザイン革新にどう影響しましたか。
A. 日本の住宅事情という特有の制約から生まれたニッチな製品でありながら、デザイン面で高く評価されGoldをいただけたことは大変光栄でした。専門性の高いアイデアでも国際的に認められるのだという確信を与えてくれ、今後の挑戦への大きな動機づけになりました。


Q. 抗菌・防カビという衛生面への配慮は、ユーザーの安全・健康の観点から素材選定にどう影響しましたか。
A. 洗いたての衣類を干す製品なので、清潔性は最重要です。そこで抗菌・防カビ処理を選択しました。また本体色を白にすることで、汚れがすぐ目視でき、清掃の動機づけにもなります。黒色の要望をいただくこともありますが、汚れが見えにくく衛生維持を損なうため、お断りしています。


Q. 都市居住空間の進化を踏まえ、この製品はコンパクトな住環境における今後の室内物干しのアプローチにどのような影響を与えると考えますか。
A. 新しいエネルギー駆動の乾燥技術は今後も登場するでしょうが、エネルギーを使わない自然乾燥の需要は残り続けます。制約の多い小さな住空間だからこそイノベーションは生まれます。Brooklyn Laundreelのデザインプロセスが、今後の製品開発のインスピレーションになればと考えています。


以上

 

ブルックリンランドリールをお使い頂いているすべてのみなさんに改めて感謝をお伝えします。
これからもみなさんの毎日の生活が、ブルックリンランドリールを通じて少しでも快適になることを願っています。      みなさんがお使いの商品は世界が認めた本物です!

まだお使いでない人、このブログにたどり着いたのも、何かのご縁です。(笑)

ぜひブルックリンランドリールをお使いください。