遊び心こそ人を楽しませる

今日は知人の建築家、道田淳さんの講演会に行ってきました。
道田さんは国際的にも有名な京都の老舗旅館「柊屋」さんの新館を5年という歳月をかけてリニューアルした注目の若手建築家です。柊屋さんの凄さを説明するとそれだけで大作長文になってしまいますが、国内外の著名人が愛してやまない旅館です。チャップリン、ロバートデニーロ、三島由紀夫…とそうそうたる方が宿泊されています。
今、マーサスチュワートさんが来日中ですが、柊屋に宿泊し、感動のあまり道田さんのところへ電話してきたくらいです。
一言で、とにかくすごいです!
「こだわる」という言葉を軽々しく使ってはいけないと恩師から指導を受けておりますが、この柊屋さんのプロジェクトは感動もので、これこそ「こだわりの集合体」と命名して間違いありません。
随所に「人間国宝級」の方々の技が散りばめられているのです。それも、コツコツと日本中の凄腕職人さんを訪ねては仲良くなり、時間をかけて説得しながらこのプロジェクトに参加してもらっているというのですから、まさにNHKのプロジェクトXが取材すべきレベルの内容です。
何百年という伝統を守りながら、新しい息吹を吹き込む作業において、本当に細かいところまで練り上げられた設計があり、それと同時に「施主にも内緒でやりました」なんていうエピソードも多数。それがまた楽しいのです。
無柱空間の3方向ガラス張り大広間、柊の葉を模したビス、柊の葉の形のシャワーの吐水口、玉虫の羽を使った床の間、京都の山々を模した欄間、その他盛り沢山の「しかけ」が隠されています。そんな彼の遊び心が宿泊客の心の琴線に触れるのだと思います。
こうした素晴らしいものに出会うと何だかとてもうれしくなり、また同時にまだまだ自分のレベルの浅はかさをガツーン思い知らされてしまいますね。つくづく勉強が足りないと思いますし、また人を楽しませるような遊び心も足りないなと反省です。
ここ数年は、出張というと海外が多く、プライベートでも国内を巡るということが出来ていないこともあり、旅館よりもホテル派でしたが、一気に旅館に泊まってみたくなりました。
また輸入資材をメインにしているマテリアルワールドとしても、国内の伝統的な素材、技術、工法に改めて触れてみたくなりました。
アマンリゾートのジャパニーズ版「柊屋」、僕もまだ経験がありませんが、みなさんもぜひ感動体験してみてください。

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