木の話パート2 無垢材vs集成材

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さて、
本日もタイトルマッチ第2段、無垢材vs集成材フローリング(住宅)編です。
結論から先に言うと、比較するまでもなく圧倒的に、今では床板と言えば集成材(合板)です。特に集合住宅では無垢材を見かけることはないでしょう。それがどんなに高い金額のマンションであってもです。建売住宅、大手住宅メーカーさんの家でもほぼ同じ状況です。
何故ならと言えば、集成材は形状が安定していて、施工も容易で、メンテナンスが楽だからです。そう、前回の再生木材のメリットに同じです。
マンションでは上下階の音が問題になりますが、スラブ(コンクリートの床)厚を薄くし、2重床と言われる木製下地を無くしてコンクリートに直接床板を施工することもあるのですが、そうなると床板にクッション材が張り付いた便利な床材まであるのです。フローリングなのに、フワフワ感のある家に行ったことありませんか?(笑)
また、床暖房のある家でもフローリングは床暖房対応した集成材を使用しないと熱で板が変形したり収縮するので大変です。
そう、全然無垢材に勝ち目がない状況です。100対1みたいな状況です。
(住宅着工数115万戸/年に対して、1万戸/年あるとして)
でも、設計士やメーカーの人、施工者の人、あるいはちょっと建築に詳しい普通の人でも、「無垢材と集成材、どっちがいい?」って聞くと面白いことにほとんどの人が無垢材って答えます。(笑)ある種の憧れのように。
僕個人も室内の床板であれば圧倒的に無垢材がいいです。とくに素足で歩いた時の感覚はまったく違います。幼稚園や保育園という施設の床板は無垢材であるのとないのとで、感覚の鋭い子供達とって天と地ほどの差があると思っています。暖かみ、柔らかさ、感触、臭いなど、走ったり、とび跳ねたり、寝転んだり、子供達はその違いを鋭く感じ分けると思います。
床というのは、建材の中でも常に人に触れている材なのです。壁、天井、建具などは空間を構成するようですが、直接触れることは稀です。人に一番近い部分の床が、カーペットなのか、畳なのか、タイルなのか、石なのか、フローリングなのか、それらはその建築をどうするかという点でもっとも重要な部分と言っても過言ではないでしょう。
北米では、今だに無垢材のフローリングが好まれます。家の中でも靴を脱がないという部分で、多少違いはありますが、みんな無垢材の良さをきちんと知っています。DIYを普通にこなす人達ですから、環境が違うと言えばそれまですけども。
話はそれますが、
今、日本のマンション物件の引き渡し前の「施主検査」で何が起きているかご存じでしょうか?
建築にさほど詳しくない方でも、どこで勉強したのか、施主検査の日だけはここぞとばかり気合いを入れて、片っぱしから気になるところに付箋をつけていくのです。たとえ、コンマ数?の傷すら見逃しません。壁紙の継ぎ目を見つけようものなら大変な状況です。指摘事項の総数100個以上なんて普通だそうです。
そして極めつけは、「レーザー水準器」を持参して、床の不陸(床がしっかりと水平であるかどうか)を計っているのです。これは通常、施工者が使うものです。数万円はします。
ですから、こんな状況でどうやって無垢材の床を使えるのか?という感じです。床材の話ではないですが、「うちは節(ふし:木の枝があった部分に出来るもの)の数が他より多い!」って泣いた人もいるっているから、正直あきれてしまいます。
マンション、確かに大きな買い物です。一生に一度あるかないかが普通です。でもこれってちょっと異常です!間違いなく。そう思いませんか?
建築資材を扱うマテリアルワールドとしてというよりも、建築の人間として、いやいや普通の日本人として考えて、ちょっぴり残念な状況です。
もう無垢材の床ってなくなっちゃうのでしょうか?
いろいろと話があちこちに行ってしまいましたが、
さて、最後にみなさんに質問です。
「みなさんが家を建てるチャンスがあり、フローリングにするなら、無垢材と集成材、どっちがいいですか?」

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