建築の「スキン」

ここ最近感じている建物のデザインについて触れたいと思います。
建物の構造は、ちょっと強引ですが、人間の体と同じように例えることができると思います。
骨:柱、梁などの構造体
肉:外壁
屋根:頭、髪
内蔵:設備
血管:設備配管、あるいは電気配線
などなど。
なんとなく言われるとそう思いませんか?
これまで、建築の外観デザインは開口部も含めてあくまでも外壁としての機能を持った「肉」の部分だったと思います。
外と内を隔てる部分として外壁が存在するのですが、その「肉」の構成は前提として構造的な部分として役割を担っており、その上で素材(石、タイル、レンガ、サイディング、漆喰、ガラスなど)の選択、サイズ(割り付け、モジュール、連続パターン、目地のとり方など)と開口部(横連窓、縦連窓、ポツ窓、全面ガラスカーテンウォールなど)の組み合わせなどが主なデザイン要素だったと思います。
ただ、ここ最近は外壁としての機能・役割を直接は持たない(内側に外壁は成立している)、あくまで『プラスα』の表層として、もう1つの層が登場しています。
複層構造のデザインにも当然狙いがあり、
日射を和らげる効果として、
視線を遮るフィルターとして、
あるいはビルの重量感を軽減する為の景観意匠として、
使われています。
すっごく新しい手法ということではないけれど、比較的新しいデザインの傾向ではないかと思うのです。
少なくとも、合理的に考えれば無くても成立する要素であり、古くには無かった発想です。
僕はそれを勝手に「建築のスキン」と名付けることにしました。(笑)
肉ではなくて、皮膚。
気をつけて見ていると、時々みかけます。






ここでは少ない事例ですが、沢山あります。
なかなか面白いですよね。
話はそれますが、
実はこれに似た発想、何かのデザインでも見かけませんか?
そう、
マテリアルワールドの『TOKYOジャケット』です。(笑)
アルミ削り出し加工の板とアクリル3次元カットの2層構造。
その色や形の組み合わせ方は今後いろいろと発展出来るのです。
ファッションのように、着替えるられる。
ジャケットを羽織るように、デザインを楽しもう!
そこから発したネーミングが、TOKYOジャケットなんです。
(僕の恩師、村尾隆介さんと色々と悩みながら、絞り出した渾身のネーミングです。)
自分で言うのもなんですが、これも過去には考えられなかった全く新しいものだと思います。

この「重ねる」という発想、もう一枚の層、建築においてもプロダクトにおいても、新しいデザインのキーワードになるかもしれませんよ!
みなさんもトレンドに乗り遅れる前に、ぜひトウジャケをGETして下さい。

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