マテリアルワールドならではのマテリアルミックス

マテリアルワールドはメーカーではありません。
マテリアルワールドが扱う商品は、国内外のメーカー、商社などから買いつけたものです。
オリジナルのアイテムもいくつかありますが、それらもすべて委託生産です。
しかしながら、業界で言うところの一般的な建材商社、あるいは建材問屋ともその立ち位置は異なります。
少々失礼な言い方になってしまいますが、「商品を右から左に流すだけ」の業務ではありません。
あえて言うなら、セレクトショップ兼マテリアルコーディーネーターでしょうか?
ユニークでオンリーワンなアイテムを取り揃えるというセレクト力・センスも重要ですが、同時に全体をみて最適解を導き出すという点で、コーディーネーターとしての役割もとても重要であると考えています。
特に、「製作モノ」の場合にそれがとても大きく影響します。
ほぼ例外なく、デザイナーのやりたいことと、製造側の設備や効率性と、そして施工側の作業性・後々のアフター対応などは、そのままでは相反することがほとんどです。打ち合わせをしていると、見事にそれらの事情が対立します。(笑)
原材料の調達から、製造工程、運搬、取り付け施工、アフターメンテナンスに至るまで、メーカーとデザイナーと施工業者とそしてエンドユーザーをも含めて、すべてのニーズを汲み取りつつ、うまく融合させる役割を強く意識して取り組んでいます。
流通の観点からすると、途中に中間業者が介在するより、メーカー直販でモノを買う方がコスト的に望ましいということがあります。
しかしながら、“余計な”中間業者は不要ですが、商品のことを理解し、建築的な要望を理解し、かつ施工方法やその後の懸念点も解った上で、全体をコントロールして最適解を導き出せる役割、コーディネーターのポジションはとても重要であると思っています。
僕自身がマンションからログハウスまで幅広く建築に接し、設計・施工・商品開発・工場の生産管理・購買に至るまで、この業界においてずっと経験してきたことが今のマテリアルワールドのこうした業務にすべて役にたっています。
自分で言うのも変ですが、なかなかそんな一級建築士、一級建築施工管理技士はいないと思います。
こうしたマテリアルワールドならではのポジションを活かしながら参画させてもらっているプロジェクトが進行中です。
分譲住宅開発におけるポーチ手摺、建築のFIXパネル、そして機能門柱の装飾パネルを担当させてもらっています。
ここでは、アイアン(鉄)とアルミを使い分け、製造も国内と海外の2拠点に分散して、それぞれの特徴と優位性を組み合わせてコントロールしています。
素材の特性による使い分け、コストや生産による使い分け、設計・施工上の理由からの使い分け、それらがぎっしりつまった物件です。

機能門柱の装飾パネル

アルミを使いながら、槌目(ハンマートーン)仕上げとしています。
塗装もブラックの上からシルバーにて擦れ塗装仕上げと手が込んでいます。
パーツはまとめて海外生産です。

アイアンによるポーチ手摺。1軒1軒長さ、角度、曲がりなどが異なるため、個別に対応をしています。一部現地の採寸を実施して、国内生産で進めています。
手摺のため、強度が必要なのでアイアン製です。

強度上アイアンによるフェンス。個別採寸対応のため国内生産です。

強度的な負荷がかからないFIXパネルであり、予め寸法を確定できたのでアルミ製。
重量もアイアンの1/3なので、躯体への負荷も小さくできる。
コスト的に有利な海外生産です。
デザインのモチーフなどは全て共通しており、そのアイテムの使われ方や施工のことなどを総合的に判断して、振り分けをしています。
ただし、それら全ては言わない限り判別できないレベルで統一されています。
このようなプロジェクトの場合、様々な観点からのニーズに対し、マルチに対応ができるメーカーでないと、1社で全てを賄うことは実は簡単ではありません。
それぞれに得意不得意があり、かえってコスト的に割高になってしまうこともあります。
大変ではありますが、同時にやりがいも感じています。
まだまだスタートしたばかりの大型プロジェクトですが、関係する全ての人に喜んでもらえるように、自分の役割をまっとうしたいと思っています。

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